邦画もいいもんだな…あらすじと私の感想
昨日の昼下がり、久しぶりにテレビで邦画を観ました。
もうすでに20分ぐらい経っていたので、「とりあえずちょっとだけ」的な軽いノリで観てみることに。
見始めると、ぐいぐい引き込まれて、最後には感動で涙を流している自分がいて、「久しぶりにいい映画を見たな…しかも邦画で。」と心に余韻が残りました。
その邦画は、山田洋次監督の『息子』という名の作品でした。
有名どころでは『男はつらいよ』の「寅さん」ですが、私はほとんど見たことがないんです。実のところ、邦画にはあまり興味がなくて…
だから、この作品『息子』も「ちょっとだけ」のつもりだったのですが、いつの間にか引き込まれてしまい、最後まで観てしまったのです。笑
『息子』のあらすじ
実家は東北岩手。
三國連太郎さん扮する父親は、3人の子供(長男・次男・長女)を持ち、1年前に妻に先立たれていた。
長男・次男は、 それぞれ東京で生活し、長男は妻子がいる家庭を持った会社員。
次男は、アルバイトからようやく社員になったばかりの小さなアパート暮らしの独身。
ある日父親が、二人の息子たちの生活ぶりを見ようと上京することにした。
まずは長男の家に泊まる事になった。
長男は、朝早くから夜遅くまで働くエリート社員。
父親には冷たい態度で、妻の方が二人の間で板挟みになり、父親に気を遣っていた。
以前、父親が実家で倒れたらしく、おばが父親を気遣うようにと長男に電話していた。
そんなこともあり、『長男という体裁』で、父親を引き取らなければと思っていた。
それを察した父親は、長男の申し出を断る。
つぎは、次男の一人暮らしのアパートに行った。
永瀬正敏さん扮する次男には、彼女がいた。
彼女の役には和久井映見さんで、次男の仕事先で一目惚れした女性だった。
ある日次男は、彼女が耳が不自由なろうあ者であることを知った。
その事実に愕然とするが、それでも彼女と交際することを決意する。
父親と二人でアパートにいる時、彼女から「今からそっちに行く」と FAX が入ってきた。
耳が不自由な彼女とは連絡手段がFAXなのだ。
これを機会に「父親に彼女を紹介したい」 、そして結婚の意思を父親に伝えたいと思った。
職場では彼女との交際には否定的だったので、父親にも反対されると思った次男は、頭から「彼女と結婚する意思ある」と熱意を込めて話した。
父親は、 次男の固い決意を感じとり、彼女との結婚を快諾した。
東京での二人の息子の生活ぶりを見届けて、父親は再び岩手に帰郷した。
片手には、次男の彼女と連絡するFAX を手土産に持って。
私の感想
ざっとこのような内容だったのですが、もう一度機会があれば、ぜひ最初から見てみたいなと思いました。
体裁や建前を重んじる長男…
自分の気持ちを貫く次男…
今の言葉で例えるなら、『他人軸の長男』と『自分軸の次男』という感じがします。
この作品は、1991年とされていますが 、この頃はまだ 「『体裁』で生きることが当たり前」と強いられていた時代だったと思います。
だから、自分の意思を貫くのは、さぞかし勇気がいっただろうなと。
彼女を紹介されたその夜、父親と次男が並んで寝ている場面で、「彼女の親にはいつ挨拶に行こう?、ビールが飲みたい、歌を歌いたくなったぞ 」と次男を寝かさないシーンがありました。
父親の嬉しい気持ちが伝わってきて、こちらまで胸がジーンと熱くなりました。
そして、私が涙したのは、たとえ周りに反対されようとも、次男が「結婚の意思」を父親に熱く語ったシーンでした。
「年を取ると涙もろくなって…」という話を耳にしますが、それは私も同じように感じています。^^;
おそらくですが、年齢を重ねるほどに「感じるセンサー」が敏感になってきたのかもしれませんね…